8月1日(月) |
岩の妙高山 |
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夕べは食事が食べられなかったが、ぐっすり眠ったら元気になった。朝起きると窓から北アルプス白馬岳方面がよく見える。例年より雪が多い気がする。小屋のすぐ近くの水場に行き顔を洗う。水はとても豊富だ。 |
朝食はご飯、パンそれぞれ好きなものにした。私は夕べ食べなかったので、パンにチーズや野菜をはさみ、スープを作る。今朝は美味しく食べられた。 |
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朝の白馬岳 |
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高谷池ヒュッテは妙高高原市の経営で、町の観光課の職員なのか山小屋にしては皆妙に愛想がいい。私たちが「お世話になりました。」と挨拶すると「何の仕返しもできませんで。」と返してきた。 |
ここは、自分のごみ(トイレも含め)は全て持ち帰るシステムになっている。 |
今日は茶臼山を経て、黒沢池ヒュッテに向かい大倉乗越を越え、妙高を往復し、黒沢池湿原を通り笹ヶ峰に戻る長いコースとなる。 |
出発 |
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緩やかにアップダウンを繰り返し、振り返るとまだ北アルプスが見える。下り始めると黒沢池と、ここにも地塘が広がり、宇宙ステーションのような青い小屋が見えてきた。その向こうにゴツゴツした山は妙高山だった。 |
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黒沢池ヒュッテまでは1時間足らず。ここは燕温泉と、笹ヶ峰、妙高山からの道が交わる。荷物を置かせてもらい、トイレを借りたいとお願いしたら、あまり感じのよくない小屋番が何か買わなければだめだという。 |
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黒沢池と中央奥が妙高山 |
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誰もただで借りようなんて思ってもいないのに、もう少し他の言い方があると思うが。登山暦が一番長いtomoさんは「山男なんて皆こんなものよ。普通の仕事に就けないから山にいる人が多いのよ」と動じなかった。 |
凍るほど冷たいポカリスエットを買い、サブザックだけにして妙高に向かう。 |
大倉乗越を登っていると、さっき一緒だったご夫婦の奥さんだけが降りてきた。「これから先、私の体力では無理だと思い、小屋に引き返すことにしました。」という。 |
黒沢池ヒュッテ |
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大倉乗越に着くと、目の前に妙高山が大きく立ちはだかり、真下には長助池がはるか下に見える。これを見ると、誰でも恐れをなし、止めたくなる気持ちもわかる。私も一瞬怯んだ。 |
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ここを下り、あの妙高への急登を登るということは、帰りにはまた大倉乗越を乗り越えなければならない。こういうとき友達の力は大きい。皆がいるから頑張れる。 |
さっきまであんなによく見えていた妙高が雲に覆われ始めた。やっと登った大倉乗越をどんどん下る。ヒメシャジンが群生していた。この花が咲くと山の夏はそろそろ終わりだとか。 |
雪渓の残る沢を渡る。モミジカラマツの白い花が大群落をつくっていた。 |
大倉乗越(後方は妙高山) |
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燕新道と合流すると、いよいよ最後のきつい登りが待っていた。 |
岩がゴロゴロした道が続き、両手両足を使いながら登るようになる。だんだん岩が削られたようになり、視界が悪くなった。硫黄の匂いが鼻をつくようになる。登っても登っても上が明るくなってこない。 |
ヒメシャジン |
妙高山への最初の登り |
だんだん足が重くなってきた。 |
1時間ほど登った頃、ハクサンシャクナゲの白い花が見られた。頭上も少し明るくなり、山頂が近いと思われる。 |
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10時5分、妙高山登頂。今朝小屋を出てから4時間。久々のすごい登りだった。天気がよければ北信越の山々、北アルプス、日本海に浮かぶ佐渡まで見えるというが、あいにく雲の中で展望はなし。 |
妙高山は、なだらかな火打とは違い、山頂も荒々しい岩峰だが意外と広い。三角点のある北峰、祠のある南峰がある。東側だけ開けたU字型の外輪山が、妙高山を取り囲むように連なっている。 |
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大倉乗越 |
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これから標高差1100m以上を笹ヶ峰まで下らなければならない。また、大倉乗越を越えなければいけないと思うと、ため息が出るが、しばらく休憩し体力と気力を入れなおし下山。 |
登りで一番文句をいっていたa-koさんは、飛ぶように降りてしまった。あの山頂直下の登りを体験すると、大倉乗越は思っていたほどでもなく、乗り越えられた。 |
黒沢池ヒュッテに着き、もう一度ポカリスエットを買った。汗をたくさんかく時は水よりスポーツドリンクの方が吸収もいいし、栄養や塩分補給にもなる。 |
妙高山頂2454m |
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小屋のメンバーは総入れ替えになっていて、朝とは違いとても親切な人たちだった。私たちともいろいろおしゃべりをし、珍しい小屋の造りを見学までさせてくれた。ドームになった天井からは星が見え、朝食には焼きたてパンや、クレープ出ると聞き、次回はぜひ泊まってみたいと、皆の意見もころっと変わった。 |
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お土産に絵葉書セットまで頂き、好印象のうちに小屋を後にした。 |
富士見平までは黒沢池湿原を抜けていく。ここが思っていた以上によいところで、静かで花もたくさんあった。ゆっくりと木道を歩き、ワタスゲ、クルマユリ、チングルマ、ハクサンフウロなど次々現れる花に疲れも飛んだ。 |
尾瀬にも負けない広くてよい湿原だった。 |
黒沢池湿原 |
最後の沢を渡ると富士見平までは緩やかな上りになる。小屋で予定よりゆっくりしたので、笹ヶ峰到着は4時過ぎになった。とてもきつい山で、久々に重いザックも大変だったが、1泊2日で火打・妙高と2つの山に登頂でき充実した山行になった。 |