トロッコ道も私が行ったときは枕木とその間の幅が、歩幅に会わずとても歩きにくかった。それが、今は小杉谷までは砂利が敷かれほぼ平らに、そこから先はレールの間に板が敷かれ、木道のようになりだいぶ歩きやすくなっていた。 |
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今日は団体はいないが、ほとんどの人が一人でも、二人でも個人ガイドをつけている。ガイドも島の人ではなさそうで、若い人が多い。観光客が多いし、行程も長く急なところもあるので、ホテルでも薦めているようだ。 |
線路脇にはヘゴや巨大なシダが自生し、恐竜でも現れてきそうな気がする。 |
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砂利が敷かれたトロッコ軌道 |
手すりの付いた小杉谷橋 |
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サクラツツジが見頃で、あちこちで薄いピンクの花が見られた。周りの山々も新緑が美しい。その間にポコポコとピンク色が見えるのは、山桜のようだ。 |
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小杉谷集落跡にくると、ガイドさんが説明をしていた。1923〜1970まで、標高600mのこの奥地には木材の搬出のため集落があったそうだ。1960年頃には、133世帯540人もの人たちが生活し、郵便局や床屋、商店などもあったということだ。小中学校の跡地や民家の石垣が残り、当時をしのばせる。 |
サクラツツジ |
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山桜 |
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楠川の分れからは、白谷雲水峡へと続く道がある。 |
この辺りから、苔むした大きな杉が見られるようになる。 |
所々にある待避所や、広くなった場所で休憩する。抜きつ抜かれつするので歩いている人の顔も覚えてしまう。 |
トロッコ道は徐々に傾斜を増し、飽き飽きした頃、大株歩道入り口に着いた。そして、橋を渡ったところには立派な水洗トイレが設置されていた。トイレが出来ていたのはよかった。(以前は高塚小屋の壊れそうなトイレだけだった) |
楠川分れと木道になったトロッコ軌道 |
三代杉 |
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大株歩道入り口 |
木の階段が続く |
入り口のはしごの階段は以前と同じだった。しばらくは急な階段が続く。 |
トイレ |
ここから登山道に入るのでほっとしていたが、これが大違いだった。木の階段ばかりなのには驚いた。 |
やっと道が緩やかになり、名前の通り苔むして、いろいろな植物が寄生した翁杉があった。 |
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その少し先は森が開け、巨大なウィルソン株がある。植物学者のウィルソンさんが洞穴と間違えて雨宿りしただけのことはある。中は広く、祠が祭られ、湧き水も湧いている。見上げるとハート形に見えますとガイドさんが話していた。 |
ここからの心臓破りの急斜面が、全て階段で、更に大変になっていた。雨でも降っているときは危険だ。ここから落ちてなくなった人もいるそうだ。 |
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ウィルソン株 |
ウィルソン株内部 |
上りきった辺りで、左の樹間からでこぼこした山頂の翁岳や宮之浦岳を望める。それにしても、階段ばかりなのには閉口した。 |
水も豊富で、何箇所も水場がある。コケから滴る水も飲むことが出来る。おいしい水が飲めるので、ここは飲料水は多くはいらない。 |
屋久島に来てからずっと天気には恵まれ、悪天候だった場合のプランも考えてきたが必要なかった。飛行機がお昼前の到着だったので、着いた日に白谷雲水峡も歩くことが出来た。昨日は宮之浦岳ピストンで10時間も歩き、さすがに今日は疲れている。縦走で新高塚小屋に泊まった人が、何組か下ってきた。こんなによい天気ならば、私達もそうすればよかったかなと思う。アミノ酸を多めに飲み、気力だけで歩いていた。 |
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翁杉 |
屋久杉とは屋久島の標高500m以上に生育する、樹齢1000年以上の天然杉のことをいい、それ未満は小杉と呼ばれるそうだ。 |
ヒメシャラの大木も多く見られるようになった。 |
早い人がもう下ってきた。最後の階段は、上り用と下り用に分かれていた。その上は手すりに囲まれ、縄文杉を見る舞台のようになっている。5時間近く歩きやっと縄文杉とご対面。長くとどまることはできず、休憩場所は高塚小屋方面に少し登ったところにあるようだ。以前はここでお弁当を食べたが、今ではそれもできない。 |
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夫婦杉(奥の2本が手をつないでいる) |
大王杉(縄文杉が発見されるまで王様だった) |
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縄文杉は標高1300mの森にそびえ、世界最大で、幹周り16m、高さ30mもある。 |
これまでたくさんの大きな杉を見てきたが、縄文杉の圧倒的な大きさには感動してしまう。縄文時代からこの森に、じっーと立ちつくし、たくさんのことを見てきたと思うと感慨深い。 |
長居はできず、引き返すことになった。下っていると、少し広くなったところで、皆お弁当を広げている。私達もそろそろ燃料切れなので、途中で休むことにした。 |
縄文杉・・・画像クリックで拡大 |
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縄文杉(樹齢推定7200年) |
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時々シカの鳴き声がしたが、今日は人が多いせいか姿を見せないと思ったら、トロッコ道を歩いていると、線路にシカがいた。私達が近づいてもなかなか逃げなかった。ヤクシカはお尻が白く、ちょっと小ぶりだ。 |
小杉谷集落で一息入れ、あと少しと思っていたが、これが長い。皆、疲れもピークに達しているとみえ、追い越す人も、前を行く人も見えなくなった。私達も3日間もこんなに歩いたことは初めてで、よく歩きとおしたものだと自分でも感心してしまう。とにかく怪我をしないように注意して歩いた。どちらかが具合が悪くなっても大変なので、無事下山できほっとした。 |