真っ白な雲の中 |
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今まで時間がかかることと、きつい山だと聞いていたのでなかなか実現しなかった乾徳山に登ることにした。 |
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晴れていたのに笹後トンネルを抜けたとたん曇天。雲が山に張り付いたようにかかっている。 |
連休中だが早朝に出発したので中央高速はすいていて、勝沼ICで降りブドウ畑の中を予定通り6時半には目的地へ着いた。 |
徳和登山口の25台駐車できる所を見過ごしてしまったようで、その先にある小さな駐車場へ停めて行くことにした。 |
やはり長い行程の山なので、もう歩き始めている人がいる。 |
雲に包まれた森 |
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しばらくは徳和川沿いの林道を行く。鳥居をくぐり、杉林の道を行くと、再び林道を横切り傾斜がきつくなった道を進む。 |
ムシカリやズミは見頃だが、ミツバツツジはまだやっと3枚の葉がでたところだ。 |
森の中はちょうど雲の中にすっぽり入ってしまったようで、真っ白で見通しはきかない。 |
30分ほど歩いたとき、ランニング姿の中年男性が下りてきた。『水場はすぐそこですよ。私は3時間で頂上まで往復してきた』と言うのだ。 |
満開のミネザクラ |
普通でも6時間以上かかると言うのに、すごい人もいるものだ。 |
最初の水場『銀晶水』近くにはニリンソウが清楚な白い花をつけていた。 |
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まだ雲に包まれたダケカンバ、シラカバ、カラマツの林を行く。次の水場『錦晶水』で山頂で飲むコーヒー用に水を汲む。 |
あたりが明るくなり、広々としたカヤトの国師ヶ原に着いた。ここまででほぼ半分。 |
やっと雲から抜け出たようで、太陽が顔を出した。シラカバが多い、気持ちのいい草原で満開のミネザクラがきれいだ。 |
やっと乾徳山頂が見えた。山頂付近は下から見ても、手ごわそうなごつごつした岩山だ。 |
ここは、道満尾根から登るルートと合わせ、山頂へ岩場を登るルートと、避難小屋の前を通り北側に回りこむルートの分岐点でもある。 |
国師ヶ原から望む乾徳山 |
ここからはさらに傾斜が増し、扇平につく頃歓声があがるので振り返ってみると、富士山が雲海の上におおきな姿を現し、南アルプスの展望も抜群だ。 |
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この展望のよさには、これからのきつい登りも本当に励まされた。木々が少なくなり、岩場が多くなってきた。 |
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雲海に浮かぶ富士 |
クモイコザクラ |
足元に目を落とすと、岩場の影にエイザンスミレや珍しいクモイコザクラがも可愛い姿を見せてくれた。まだ花の時期には早いが、あと1ヶ月もすると花畑になるそうだ。 |
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怖〜い鎖場 |
ここからの200mが、少しも気が抜けない大変な岩場が続く。大きな岩が現れ、靴の幅ほどもない足場を岩に抱きつくように登る。
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次は人がやっと通れるくらいの割れた岩の隙間をくぐりぬけ、次の地点へ飛ぶように下りる。くまさんが通り抜けられるか心配したが無事通過。 |
最後の鎖場 |
ついに鎖場出現!全部で3箇所の鎖場があるが、最初は足をかけやすく登りやすい鎖場。 |
次は短いが、つま先くらいしか足が置けない,ほとんど垂直の岩場だ。怖かったが何とかクリア。 |
最後頂上直下の鎖場は10mくらいあるし大変だと聞いていたので、巻き道を行こうと思っていた。でも見あげてみるととっても怖そうだけれど何とかいけそうかなと思い、チャレンジしてみたい気持ちがむくむくと湧いてきた。 |
4〜5人順番待ちの人がいたので、前の人が登るのを見ながら,足をどこに置けばいいのかドキドキしながら考えた。 |
1/3くらいまではまっすぐな岩で、足場がない。岩にフラットに靴を置き、鎖に頼って登らなければならない。 |
山登りは足だけでなく、腕の力も必要なことがよくわかった。半分登ってしまえば、あとは足場があるので何とか登れそうだ。見あげると、巻き道を先に登ったくまさんが、カメラを構えているのが見えた。 |
11時乾徳山登頂。 |
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頂上は巨岩が重なり合う狭いところだが、大勢の人でにぎわっていた。雲海はいつのまにか消えてなくなり、さえぎるもののない大パノラマ。 |
気温が高いのにこんなに好展望なのは珍しい。金峰山、奥秩父の山々、大菩薩、丹沢、富士山はいつまでも大きく、南アルプスからずっと右端には北アルプスまで見える。十分展望を楽しみ、少し下って平らな岩をみつけランチタイム。 |
下山は北側へ下る。やはりはしごや鎖あるが、登りほどではないので一安心。 |
乾徳山頂 |
しばらくは大きな岩場続きで、急降下の歩きにくい道だ。急斜面にコバイケイソウの大群落がある。 |
1時間ほど歩くと、道はやっと緩やかになり、避難小屋が見えてきた。国師ヶ原だ。ここからは往路を行く。 |
8時間に及ぶ行程は大変だったが、久々に歩き甲斐のある山に登れた満足感でいっぱいです。温泉で汗を流したかったが、連休で温泉も道路も混雑が予想されやめてしまった。帰りは思ったとおり大渋滞に巻き込まれた。 |
写真提供:森のクマさん |