大月秀麗富岳十二景 |
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去年、笹子雁ヶ腹摺山に行く途中で、清八山登山口をみつけた。その頃から本社ヶ丸(ほんじゃがまる)と清八山(せいはちやま)という漫画チックな名前が気になっていた。先月行った倉岳山が、大月秀麗富嶽十二景だったこともあり、それなら全部登ってみようと意気込んだ私達は、翌月の山行をそこに決めた。 |
調べてみると、主なルートは笹子からと、三つ峠側からの二つだったが、どこも不便で、歩行時間がとても長い。日が短くなってきているので、なんとかよい方法はないかと、行った人の情報をネットで検索すると、大月からタクシーで変電所まで入れることがわかった。時間はだいぶ短縮されるので、私達も行かれそうだ。 |
こういうときは4人というのはとても便利で、高いタクシー代もあまり気にならない。 |
変電所の先でタクシーを降り、登山口までデコボコの林道を歩く。ヨメナやノコンギクがきれいだ。 |
変電所の少し先の橋(ここまでタクシー) |
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明るい雑木林の道を登る。ときどき、足元にいろいろなきのこが生えている。きのこ通はいないので、食べられるかどうかはわからないが。 |
今年は猛暑で、9月も暑かったので、紅葉も少し遅れているそうだ。周りの木々もまだ緑が多い。 |
花は少ないが、トリカブト、オヤマボクチ、タカネヒゴタイ、ニガナ、アキノキリンソウなど見られた。トリカブトは多く、濃い紫がきれいだった。 |
少し開けたところにベンチがあり、向かいに笹子雁ヶ腹摺山の三角がきれいに見えた。 |
登山口(左手奥に登山届ボックスあり) |
白いきのこ |
1時間半ほど歩いて、清八峠に着く。 |
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一面に咲くトリカブト |
明るい雑木林を登る |
笹子雁ヶ腹摺山 |
今日は土曜日なのに、この山は登っている人が少ない。やっと一人登山者に会った。ここから清八山までは往復15分だった。 |
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清八山は、とっても展望がよい。今日は雲が多く遠くはあまり見えないが、奥秩父や大菩薩、三ツ峠は目の前に、富士山は雲の上から頭だけ出していた。 |
清八峠に戻り、本社ヶ丸を目指す。 |
「ホンジャカ、ホンジャカ、今夜は肉じゃが」などと、 |
今日もconちゃんは元気で、クマよけベルをつけたがかき消される。 |
清八山(1593m)より山座同定 |
雲の上から富士山の頭が見えた |
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本社ヶ丸へは岩場を乗り越えて行く。展望が素晴らしい。澄み切った晴れの日を選んで登れば、きっと大展望が見られる。 |
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本社ヶ丸山頂は、岩がゴロゴロしていて狭い。ここまでは快調なペースだったので、山頂でゆっくりランチタイムにした。雲が多くなり、富士山はさっき見たのが最後で、完全に雲の中に隠れてしまった。空気はひんやりして、シャツをはおる。 |
ここで二人目の登山者が登って来た。 |
下山は鶴ヶ鳥屋山方面へ進み、笹子駅へ下りる。 |
本社ヶ丸(清八山より) |
山頂手前の岩場 |
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少し古い地図には、下山コースが2つあり、手前は破線になっていた。私達は、ガイドブックにも載っていたその先の実線のコースを下る計画でいた。それが、2007年製の地図には、手前の破線が実線に変わっていた。ひょっとしたら、最近整備されたのかもしれない? |
ブナの多い、広く気持ちのよい尾根を歩いていたら、ベテランっぽい単独の女性が上ってきた。何処からきたのか聞いたところ、その破線の道を登ってきたそうだ。「途中ススキが背くらいあって、藪こぎが大変だったが、他は大丈夫ですよ」とのこと。 |
本社ヶ丸山頂(1631m) |
ブナ林の気持ちよい尾根歩き |
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地図が実線に変わっていたことと、その女性の話から、急遽下りのコースを変更して、地図にある1337m地点を下ることに決めた。(あとでこれが大きな間違いだったことに気づく・・・) |
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冷や汗ものの下山コース |
送電線のところで、宝鉱泉への道を分け、1時間ほどで、1377mとの表記があった場所に着く。角研山と手書きの標識があった。真っ直ぐは標識があるが、左に下る道案内はない・・・ |
でも、木にはテープの目印があった。 |
送電線がある宝鉱泉への分岐 |
向こうに見えるのは三つ峠 |
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角研山を回りこむように左へと下る。ものすごい急坂。ストックや、木につかまりながら下る。古い地図に道悪いと書いてあるが納得。 |
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何とか下りきると、やっとはがれかけた赤いテープが巻いてある木が見つかりほっとする。 |
ちょうど1時間で林道に出た。ここからが埋もれそうなススキの中をかき分けながら進む。道がよく見えず、何度か間違えそうになる。 |
角研山(地図には1377mの表記のみ) |
送電線をくぐると、道がはっきりしてきた。 |
はがれそうな赤いテープが巻かれた木 |
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ちゃんとした登山道もあった |
かわいいマユミにほっと一息 |
埋もれそうなススキをかき分け進む |
またさっきより急な下りになった。道はわかりにくく、たまにある目印のテープを頼りに進む。歩いた形跡もほとんどない。 |
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突然テープがなくなった。その先は登山道とは全く思えない転げ落ちそうな急坂。どこかで道を間違えたのか???時間的にも、木々の合間から見える景色からみても里は近い。 |
迷った末、何とかこの急坂を下ることにした。気を抜くと下まで転げ落ちそうだ。つかまる木もあまりない。なんとか沢までたどり着き、ほっとした(心臓バクバク)。少し休んで緊張をほぐす。 |
そして不思議なことに、ここからは登山道とわかる道がついていた。あと100mくらいのところで、道を間違えたようだ。標識もなく道も悪い。とにかくわかりにくく、急坂の多いサバイバルなコースだった。 |
なぜこのコースが、最新版の昭文社地図で、実線に変わっていたのかわからない。私達は地図を頼りに歩いているので、正確なものを載せてほしい。 |
登山口にだけ標識があった |
全員無事に下山できたからよかったが、これからは”危険な中高年登山”にならないよう十分気をつけよう。そしてなるべく正規のルートを歩くことにしよう。 |
いろいろアクシデントはあったが、暗くならないうちに予定より早く下山でき、本当によかった。 |