アブの襲撃 |
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1年じゅうで山が一番混むという海の日。八王子はなんと今年最高の35.7度を記録した。この猛暑の中、少しでも涼しさを求め編笠山へ出かけることにした。 |
夏休みに入り混雑が予想されたが、朝早かったので中央高速は空いていて観音平駐車場には7時頃到着した。だが既に駐車場は満車状態でなんとか停めるところをみつけた。 |
左手はグリーンロッジへの道、駐車場の奥が登山道入り口になっている。 |
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南アルプス |
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観音平は、ニッコウキスゲ,シモツケソウ、ウツボグサなど夏の花がたくさん咲いていた。笹に覆われた斜面を緩やかに登ると、雲海展望台へ着く。富士山の眺めが良い。 |
ずっと気になっていたアブが回りに寄ってきて、刺されてしまった。針を刺したように痛い。 |
カラマツの林になると、急登が始まり、岩がゴツゴツした歩きにくい道に変わった。ここから右に行くと、青年小屋へのトラバース。 |
原生林の森に入り、少し広くなった押手川(おんでがわ)分岐に着く。 |
原生林とシャクナゲ |
ほとんどの人が直進して編笠山へ登る。 |
白い花びらが落ちているので、見あげるとなんとシャクナゲが満開だ。天城山では5月に見てきたので、まさかまだシャクナゲが見られるとは思わなかった。天城山の華やかなシャクナゲとは違い、ハクサンシャクナゲという白い清楚な花だ。 |
ずっと原生林の森の中で、見晴らしは悪いが夏の強い日差しはさえぎられ時折、気持ちの良い風が吹き抜ける。でも、高度を上げればいなくなると期待していたアブ軍団は、まだついてくる。大岩がゴロゴロして道はますます傾斜を増し、森林限界になった。 |
ここまで来ると、さすがにアブはほとんどついてこなくなった。振り返ると、富士山、南アルプスの大パノラマだ。 |
頂上直下の急登をあえぎながら登っていると、目にも鮮やかなローズピンクの花が咲いていた。7月下旬から8月にかけて、出会えたら幸運だというタカネバラだ。それも登山道に沿って、たくさん咲いている。八ヶ岳では希少種で、しかも花期が短いそうなのでラッキーだった。他にもたくさんの花に出会うことができた。 |
アブのために長い休みをとらずに登ってしまった。11時登頂。岩原のような広い山頂はまじかに権現岳が見える。 |
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山頂でゆっくりと展望とお弁当を楽しみ、青年小屋へとハクサンシャクナゲが続く狭い道を下る。こちらの道も岩がゴロゴロした急坂だった。 |
残念ながら後ろの八ヶ岳連峰は雲の中だ。少し雲は多いものの南アルプス、富士山など雄大な眺めだ。 |
15分ほど下ると、目の前に西ギボシ、東ギボシと切り立った権現岳が現れた。眼下には青年小屋が見える。ここからしばらくは巨岩が続く。 |
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賑わう編笠山頂 |
ペンキ印に従って、岩を渡る。 |
青年小屋は入り口に大きな赤提灯がつるしてあり、”遠い飲み屋”と書いてあり、オーナーのユーモアが笑いを誘う。 |
生ビールやカキ氷が売っていて、小屋の前では大勢の人たちが、カキ氷を食べていた。私たちも久々の氷イチゴを食べることにした。 |
今日は暑さのせいか、山頂でも私は食欲がなくお弁当もあまり食べられなかった。青年小屋を出る頃になったら気持ちが悪くなってきた。ここから登山口まではまだ3時間近くある。水分だけは補給するようにしていたがあくびばかり出る。 |
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途中でゆっくり休みたかったが、あまり長く休むと本当に歩けなくなりそうで、30分ごとに5分休みながらやっと駐車場にたどり着き、ほっとした。 |
山はとにかく自分の足で歩かなければどうにもならないし、ちょっとしたアクシデントがあっても、大変だ。幸い、下山後温泉で少し横になったら、すぐに良くなった。暑さバテだったのかもしれない。 |
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青年小屋と権現岳 |
注:あとで聞いたところによると、南八ヶ岳はこの時期アブが多いということです。刺された痕は翌日は何ともなく、2日目あたりから10日以上経った今も腫れてしこりになり、かゆみは消えず大変なことになってしまった。皆さんご注意ください。 |