鳳凰三山の登山口である夜叉神峠は、白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)の展望が良いことでも知られている。それだけでも十分登る価値があるところだ。 |
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昨年の秋鳳凰三山へ登る際、カラマツ林の急坂を抜け稜線に出た時の感動は忘れられない。
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大学時代ワンゲルだったという友人は、新人歓迎ハイキングは、毎年ここだったそうだ。この景色を見ると感激して、皆入部するのだそうだ。 |
南アルプス林道を芦安温泉付近にきたとき、一瞬自分の目を疑ってしまった。 |
野生の猿軍団30頭余りが、目の前の道路を、赤いお尻を見せながら一目散に走り去っていった。これにはびっくりしてしまった。 |
オオカメノキ |
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曲がりくねった林道を高度を上げながら進むと、たくさんのヤマブキとヤマザクラが今が盛りと咲き誇っていた。 |
登山口に着いたのは、7時半前だった。夜叉神の森という茶店があり、4〜50台停められる駐車場はすでに半分以上うまっていた。 |
準備をしていきなり急な登山道を登り始めると、ニリンソウが群生していたが、朝早いのでまだ開いてはいなかった。 |
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白いガクアジサイのような花、オオカメノキもたくさん見られた。カラマツ林から紅葉樹林帯になるがずっと展望はなく、急坂が続く。この辺りの森はまだ芽吹いたばかり。 |
見覚えのある5本カラマツの辺りで、カメラを持った人が下ってきた。「今日は良く見えますよ」との言葉に思わず足が早まる。 |
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5本カラマツ |
稜線に出ると、正面には雪を頂いた白峰三山が目に飛び込んできた。ずっと前から見たいと思っていた風景だ。 |
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一登りで夜叉神峠に着く。息を呑むような白峰三山が堂々と聳えていた。思っていた以上に素晴らしい。 |
自然はその時々の条件によって、いつも違った姿で楽しませてくれる。秋に来たときとは全く違う装いだ。 |
ほとんど雲がなく、青い空に残雪が映える。いつまで眺めていたい景色だ。もう下山してきたグループもあり、急ににぎやかになってきた。 |
ここから右へ行けば夜叉神峠、左へ進むと高谷山へ行く。 |
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夜叉神峠 |
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一休みして、次の高谷山へ向かった。爽やかな風が尾根を渡る。夜叉神峠からは100mほど登ることになる。 |
あまり人が行かないのか、登山道はクマザサに覆われわかりにくいところもあった。葉が出始めたばかりのマイヅルソウも群生していた。 |
山頂は少し回りこむため、北岳が目の前に、仙丈岳も見えた。静かな山頂で展望を楽しみ、これで降りてしまうのはもったいないので、再び夜叉神峠へ向かうことにした。 |
サルオガセの向こうには高谷山 |
早いけれど、南アルプスを見ながらランチにした。 |
自然はごちそうだった。やはり昼近くになると、雲が多くなる。このまま鳳凰三山まで登ってしまいたかった。。。 |
名残惜しみながら下山。連休最終日で混雑が予想されるため、温泉も入らず帰ることにした。やはり帰りは渋滞に巻き込まれたが、雪を抱いた南アルプスが見られただけでも来た甲斐があった。 |
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photo by kuma |