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スリルある寂ショウ尾根に |
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延び延びになっていた滝子山へ、やっと行くことができた。Sさんは初めてで、ずっと行きたかった山、Jさんは、寂ショウ尾根から登ってみたかったという山だった。 |
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寂所尾根は、破線ルートで、滑落などが多いため、下りには使わないようにということなので、事前に調べたが、悪天候でなく、登りなら大丈夫そうだ。 |
登山口がわかりにくいとあったので、注意しながら歩いた。 |
あいにくの曇り空。笹子駅を降り、甲州街道を大月方面に吉久保バス停まで戻る。 ここには、わかりやすい標識も出ていた。 |
滝子山方面はすっかり白い雲に覆われ、姿は全く見えない。 |
甲州街道(吉久保バス停) |
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稲村神社つきあたりを左へ |
消えそうな寂ショウ苑の立札 |
寂ショウ尾根登山口 |
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中央高速を越え、桜森公園の先が寂ショウ苑入口。(案内板不鮮明) |
林道の入り口から、山小屋風の寂ショウ苑までは数分。小屋のすぐわきに手作りの登山口案内があった。 |
曇りのせいか、寂ショウ尾根の名前にふさわしい、暗~い林。 |
単独では、とても来られない、怖くなるようなところだ。 |
登山道へ |
標高が上がるとガスってきた |
植林のジグザグ急坂が続く。 |
登りつめたところに送電鉄塔があり、その先で林道へ出る。 |
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右へ少し行ったところに小さな立札があり。いきなり急な斜面にロープがついた、滑りやすい取りつきだ。 |
一息もつけないような自然林の急なジグザグの登りが続く。 |
私たちが今日初めての登山者か、クモの巣が多い。 |
先を行くwasabiさんがクモの巣払い。 |
林道へ出る |
小さな標識あり |
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尾根に出ると、すっかり雲の中に入ってしまったようで、湿気が増し、ミストサウナのようだが、気温は低い。周りの木々も濡れて、葉にはしずくが光っていた。 |
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尾根が狭くなり、傾斜が増していく。 |
森の主のような、ひときわ大きなブナの木があった。ガスの中で幻想的な雰囲気だ。 |
傾斜が続く |
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森の主のようなブナの大木 |
いつもパワフルなwasabiさんは、私たちがへばっていても、どんなに傾斜がきつくても、元気におしゃべりしている。8割がwasabiさん、残りの2割が私たち3人の声。 |
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このあたりから、いよいよ岩場の登りになる。 |
wasabiさんが、元気に先導してくれるので少し気が楽。 |
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岩場出現! |
岩場をよじ登って進む |
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ぐんぐんと高度を稼げる岩場は、嫌いではないが、湿っているので滑りやすく、緊張が増す。だが、木の根や足をかける岩が、よい具合にあり割合登りやすい。 でも、やはりここは、下りには絶対使えない。 |
私は、ブルブル冷や汗もので登っているが、wasabiさんは、こんな岩場でもトーンダウンすることもなく、「変化があって楽しいわ」と元気。さすが! |
このコースは、ちゃんとした標識はなく、手作り風のものや、あとは赤いペンキマーク のみ。でも、それがたよりになり、ほとんど迷うこともなかった。 |
滑落多発の標識 |
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一度、大きな岩に登ったwasabiさんが、ここは降りられない、と言うところがあった。見渡すと、岩の手前に左に下がる道らしきところがあるが、山頂から離れて行ってしまいそうだ。Jさんが、大岩の右にほんの少し、回り込みながら歩けるルートを見つけた。右側は切れ落ち、靴の幅くらいしかない狭いところだが、何とか抜けられた。 |
迷った人のサイトを見たが、ここのことかもしれない。 |
雲海 |
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辺りがだんだん明るくなった。岩場が一段落すると、展望が開けた。眼下には一面の雲海。雲の上に出てしまったのだ。三ツ峠方面の山が雲の上に顔を出し、まるで、3000m級の山に登ったようだった。 |
これで岩は終わりかと思っていたら、いったん下り、また岩場の登りが待っていた。 |
この辺り、イワカガミの群生地だった。咲いたらきっと一面の花畑になりそうだが、私はイワカガミを見るだけなら、別の山にしたい。 |
古い地図にはルートのない、浜立山への道が合流する。 |
浜立山への分岐 |
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山頂はすぐそこかと思っていたのに、ここからまだ、何度かアップダウンを繰り返す。 |
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明るく、薄日まで射してきた。天気は何とか持ちそうだ。 |
花は少ないが、西の肩を下った所にトリカブトやカイフウロが見られた。 |
まだ続く上り |
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咲き始めたトリカブト |
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最後にロープのついた急坂を登ると、やっと滝子山到着。登り3時間30分。 今まで登山者には逢わなかったが、私たちと前後して、二人登って来た。ちょうど12時、楽しいお弁当タイム。 |
山頂の標識には、1620mと記してあるが、地図やガイドブックには1590mになっている。最近隆起したはずもないが??どちらが正しい? |
雲海に浮かぶ三ツ峠 |
滝子山(1620m) |
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下山は初狩駅へ向う。萩の花咲く、滑りそうな急坂を一気に下る。 |
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緩やかになったところで、女坂、男坂に分かれるところがあった。私たち三人は女坂を選ぶ。wasabiさんだけ男坂を行く。 |
檜平に着く手前で、ヤッホーの声が聞こえた。やっぱり、wasabiさんはもう着いていた。 |
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萩咲く |
檜平 |
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マルバタケブキ咲く雲の中へ |
水場 |
沢を渡る |
道は尾根から外れ、赤松も多い自然林から植林の杉林へと変わる。 途中、沢の音が2回ほどしたが、流れは見えなかった。 |
下りに飽きてきたころ、水場へ着いた。以前来たときは飲めたはずだったが、今は、”この水は飲めません”と書いてあった。 |
林道から車道へ出て、30分で初狩の駅に着いた。のどが乾ききっていたので、駅前のコンビニで買ったかき氷がとってもおいしかった。 |
スリル満点の寂ショウ尾根だったが、雨にも降られず、思いもかけない雲海が見られた。終わってみると、大変な山歩きをした時ほど、達成感はある。 |