利尻山登山 |
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朝3時起床。4時に宿の車で登山口へ送ってもらう。(送迎付なのがありがたい)同宿からは8人が登る。 |
北の夜明けは早く、もう明るい。 |
曇り空ながら雨の心配はなさそうだ。準備をし4時15分に出発する。 |
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利尻北麓野営場登山口 |
甘露泉水 |
甘露泉まではきれいに整備された道だ。利尻山へ登らなくても、ポン山へは手軽なハイキングができる。 |
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甘露泉を過ぎると水場はないが、利尻の水道水は手が切れそうに冷たく美味しいので、宿で十分補給してきた。今日は長丁場なので、2~3Lの水が必要になる。 |
薄暗い針葉樹林帯が続く。道はまだ緩やかだ。 |
ポン山分岐 |
トドマツの針葉樹林帯 |
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傾斜が増し、ダケカンバ帯に入る。林床にはマイズルソウが大群落をつくる。もう実になっていた。 |
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花は少なく、アザミやシロバナニガナ位だと思っていたら、 エゾイチヤクソウの白い花が見られた。 |
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ダケカンバ帯 |
マイズルソウ(実) |
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5合目を過ぎると傾斜は増し、低いダケカンバの中をひたすら登る。 |
クマさんの歩が遅くなる。まだまだ山頂は遠いのに心配だ。 |
頭上が少し明るくなり、向こうの稜線が見えた。 |
5合目を過ぎ傾斜が増す |
やっと稜線が見えた |
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白い虹とブロッケン現象 |
第一見晴台は、最初の展望地だが、雲海に覆われ何も見えない。 |
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休んでいたら突然、雲海の上に白い虹がかかった。初めて見た。 |
白い虹は、水滴の大きさが光の波長とほぼ同程度になった時だけできる、かなりレアな現象らしい。 |
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6合目(第一見晴台) |
白い虹 |
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そして崖際にくると、なんと!ブロッケン現象まで見られた。 |
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眼下に虹色の輪ができ、私の影がその中に入っている。まるで五光が射したように見える。 |
何という偶然。これは幸先よいかもしれない。 |
ブロッケン現象(私のカメラではこの程度) |
6合目より上を望む |
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トイレブース |
15年前も簡易トイレを持って登った。その時はブースはなく、物陰に隠れて用を足したものだ。 |
今回は、6.5合目、8合目、9合目の3ヶ所にトイレブースが出来ていた。安心して登れる。 |
雲海 |
6.5合目トイレブース |
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雲の上に出たので、すっかりよい天気になった。 |
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7合目の標識に胸突き八丁とある。急な岩場が果てしなく続く。 |
クマさんのスピードは前にも増し遅く、先に行っていいというが、あまり離れるわけにはいかない。 |
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7合目(胸突き八丁) |
岩場の急登 |
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イワオトギリ |
ゴゼンタチバナ |
ハイマツ |
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合目ごとに待ち、立ち休憩で水、食料を補給する。相当疲れているのか話しかけても返事もしない。 ただ黙々と登る。 |
この上が長官山かと思ったら、第二見晴台だった。ここでやっと長官山が見えてきた。 |
第二見晴台 |
長官山へ |
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長官山(8合目) |
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登山口から4時間。長官山に到着。ここで初めて利尻山が見えた。雪渓が残る美しい姿だ。 |
北側の斜面は赤茶け、えぐられている。あそこを登っていく。これから先が難所だ。 |
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利尻山(長官山より) |
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長官山から避難小屋までの20分はやっとほっとする稜線歩き。利尻の頂を眺めながら、たくさんの花々を楽しむ。 |
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利尻の避難小屋は緊急用のため、普通に泊まることはできない。登ったら日帰りで降りなくてはならない。 |
利尻山避難小屋 |
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ザレた斜面 |
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9合目で休むとなかなか腰を上げないクマさんを促し、ここからが正念場の道標に従い砂礫、岩礫で歩きにくい道を一歩一歩登る。 |
崩壊が進みそのうち登れなくなるのではないかと言われているが、 丸太などでだいぶ整備されていた。 |
9合目より |
ここからが正念場 |
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長官山の稜線 |
チシマフウロ |
ミヤマアズマギク |
頂上直下は、このコースで一番きつい所だが、花は種類も数も一番多い。花の多さに励まされながら登る。 |
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沓形コースは今は崩落が激しく、通行が禁止されている。 |
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えぐられた道 |
沓形コース分岐 |
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頑張ろう~もう少しよ~ |
丸太階段整備中 |
3mスリット |
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花の登山道 |
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雪渓が残る斜面は、キンポウゲかボタンキンバイか、一面黄色だ。 |
最後は3mスリットと言われ、深くえぐられた道になる。歩いたところに雨が降ると、どんどん深くなってしまうそうだ。 |
雪渓とキンポウゲ |
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エゾツツジ |
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コケモモ |
ミヤマコウゾリナ |
ハクサンチドリ |
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ガレ場にリシリヒナゲシが咲いているそうだが、見つけることはできなかった。今では数も激減しているそうだ。 |
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やっとやっと山頂が見えた!あと少し。 |
やっと見えた利尻山頂とロウソク岩 |
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イブキトラノオ |
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利尻山登頂! |
10時45分利尻山登頂。亀足隊の二人は6時間半もかかり何とか山頂に立つことが出来た。 |
この先、年齢的にも体力的にも無理になりそうだ。行くなら今でしょう!と決めた利尻山登山だった。 |
利尻山1719m |
雲海で海と空の境がわからない。 |
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雲海の上に立つ |
素晴らしい天気になった。 |
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利尻山南峰(通行禁止) |
イワギキョウ |
シコタンソウ |
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バイケイソウ |
リシリオウギ |
エゾヒメクワガタ |
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以前登ったのは6月だったが、山頂付近は7月の方が花が多かった。利尻山頂でゆっくり花畑とお弁当を楽しみ、下山。長い下りだし、最初は急なガレ場が続くので、心して行こう。 |
9合目に向かうザレた急坂を下っていると、携帯が鳴った。安全なところで確認すると、娘からの思いもよらない電話だった。 |
最後に名水甘露泉を十分補給し、冷たい水で顔をザブザブと洗った。 |
さあ下山 |
重い足を引きずりながら登山口で迎えの車を待つ。 |
下りは4時間45分かかり、体力の限界の12時間の行程になった。クマさんは腰の故障を抱えながらも、2人とも無事下山でき本当に良かった。 |
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偶然にも初めての白い虹やブロッケン、多くの高山植物も見られ、帰りにはエゾシマリスにも遭遇できた。とてもきつかったが、困難な山ほどよい思い出になる。 |
晴天に恵まれ、手首が腕輪のように真っ赤に焼けてしまった。 |
長官山より最後の利尻山を望む(北側は雲が湧く) |