【礼文林道・桃岩トレッキング】 |
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7時45分に民宿を出発し香深井の礼文林道入口へとバスで向かう。今日も曇り、少し肌寒い。東京の蒸し暑さがうそのようだ。 |
ここからレブンウスユキソウ群生地、礼文滝入口まで登りが続く。そして、桃岩展望台コースへと進み、元地灯台から知床まで約6時間のフラワートレッキング。 |
草原、岩場、湿地帯と変化に富んだコースで、そのため花の種類も多く”花の浮島”を実感できた。皆昨日と違い、もうチシマフウロなど咲いていても驚かなくなった。 |
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礼文林道 |
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固有種のレブンウスユキソウを見るために滝の途中まで下る。道はひどくぬかるんで急な下りと登りが続いた。ウスユキソウは簡単には見られない。こちらは時期が少し早かったが、思いが通じたのか霧の中に咲いていた。 |
霧で水滴が付いているのがとてもよく似合う花だった。周りはまさにお花畑。風が強く、寒い。気象条件の悪いところでよく咲いているものだと思う。 |
レブンアツモリソウとレブンウスユキソウと両方一緒に見られる時期は、たった1週間くらいだそうだ。私たちはとてもラッキーだった。 |
レブンウスユキソウ |
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ここから礼文滝まで行くグループと行かないグループに分かれた。滝に行くのは結構大変だというし、それに連日の歩行時間はそろそろ私の限界にきていた。私達は宿のおじさんの運んでくれたお弁当を食べて、待つことにした。 |
嵐が丘の舞台になるような風と霧の中、珍しい花が咲いていると立ち止まる私たちは、ガイドさんに促されながら桃岩展望台へと更に進む。展望台の少し前でうそのように霧が晴れ、暑くなってきた。 |
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桃岩は巨大な桃の形に似た岩だが、あっという間にまた霧に包まれ、10メートル先も見えない。風も強い。だが、周りはお花畑で数々の色とりどりの珍しいお花で埋め尽くされる。 |
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桃岩付近 |
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レブンシオガマ、ミヤマオダマキ、ハクサンチドリ、レブンソウ、レブンシオガマ、レブンハナシノブ、レブンキンバイ、クロユリ、センダイハギ・・・・・花の種類は数え切れないほどだった。 |
もう少し早い時期だと、エゾカンゾウでオレンジ色にそまるらしいが、ほとんど終わりに近かった。 |
レブンアツモリソウ |
遊歩道を歩いていると、ロープが這ってあるすぐ近くになんとレブンアツモリソウが咲いているのを見つけた。 |
昨日保護してあるアツモリソウを見てきたが、こんな足元に咲いていたなんてびっくりした。でも、以前はどこにでも咲いていたそうだが、盗掘されほとんど見られなくなってしまったらしい。悲しいことだ。 |
天気が良いと、桃岩展望台付近からは利尻富士の眺望が良いそうだが、今日は望めそうにない。 |
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ここで私は、フィルム6本を使い切ってしまった。あまりの素晴らしい景色と、花の多さに写真はいくら撮っても足りないくらいだ。 |
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レブンハナシノブ |
レブンシオガマ |
日用品は香深の港まで行かないと売っていない。余分に持っている人にお願いして、少し分けてもらった。 |
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元地灯台で少し休憩し、知床まで6時間半くらい歩いたが、船であれほどいた観光客はどこに行ってしまったのか、全く出会わなかった。きっとバスで回るだけなのかもしれない。それではこんなすごいお花畑は見ることができない。 |
今日もよく歩いた。私たちが泊まっている民宿は、朝ご主人が漁をして新鮮な魚を食べさせてくれる。島にはホテルや旅館は少なく、ここもあまり新しくはないが、貸切でゆったりしていてよかった。 |
元地お花畑 |
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利尻に2泊、礼文に2泊、今日で4日目。あっという間に過ぎてしまった。最後の夜なので皆打ち解け、夕食を囲み唄やゲームで盛り上がった。 |
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日本にもまだこんなに自然が残っていることを発見でき、うれしく思う。百名山と言われる山に初めて登り、こんなにたくさん歩いたのも初めてだったが、ガイドさんたちのおかげで、少し歩く自信がついた。 |
登山は苦しいものだと思っていたが、歩くことは楽しいことなのだと、教えて貰った。 |
でも、帰ってから1週間足のむくみが消えなかった。 |
レブンキンバイソウ・ミヤマキンポウゲ |
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6月19日(月)曇り |
【礼文から宗谷岬へ】 |
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いよいよ最後の日となった。民宿のおじさんと息子さんがワンボックスカーで港まで送ってくれた。おじさんは無口で朴訥な人だが、とっても暖かい人だった。 |
港の近くの喫茶店で久々のコーヒーを飲んだ。和食の海の幸ばかりだったので、とてもおいしかった。 |
船が出るとき礼文ユースホステルの人たちが、恒例だという唄と踊りでお客さんの見送りをしてくれた。今時あんなに熱くなれる若者がいることにちょっと驚いた。東京の若者とは違うと思った。 |
礼文Y・Hの見送り |
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香深港から稚内へはフェリーで約1時間。バスで宗谷岬へ行った。宗谷岬も曇りで、サハリンは見えない。間宮林蔵碑や流氷館を見学した。旧海軍の望楼があったが、こんなところで双眼鏡で見張っていたなんてのんきな時代だったのだと思った。 |
ここでは日本最北端到着証明書を発行していた。私は”00 06-19 12:13”だった。最後に市場で海産物をお土産に買い、3時過ぎの飛行機で稚内空港を後にした。 |
利尻・礼文花図鑑はこちら |
photo by kura |