向山は、5~6年前までは地図とコンパス頼りでないと行かれない山だった。今でも昭文社の地図は、向山から鶴峠分岐までは破線ルートになっている。その後、多くの人が行くようになり、標識も出来て私達でも行かれるようになった。紅葉がよいとの情報を知ったのは、数年前だった。 |
奥多摩発小菅行きのバスは、午前中7時33分1本のみ。今朝は暗いうちに家を出た。ここのところ11月とは思えない暖さで助かる。 |
デンデロ??? |
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乗客は10人。全員登山客だった。 |
金風呂を過ぎた辺りで、大きなザックの若者3人が突然運転手さんに駆け寄った。「デンデロ(?)へ行きたいが、鴨沢は通らないのか?」 と尋ねている。 |
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余沢(よざわ)バス停 |
大きな柿の実(渋柿かも) |
どうやらバスを間違えたようで、そこで降りた。デンデロ???聞いたことないフレーズ。鴨沢へ行くって、あの人たちあそこからどうしたのやら。 |
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最後の乗客だった私達三人が降りると、バスは空っぽになった。 |
余沢バス停より少し戻り、下の道に下る。川を渡って道なりに進むと、オマキ平(向山)入口の標識がある。ここが登山口になり、トイレもあった。 |
向山(オマキ平)入口 |
秋色の余沢集落 |
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坂道を上ると、静かな集落は秋色に染まっていた。 |
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暗い杉林も、ミツマタの花が咲いたように黄葉で明るい。 |
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自然林の森になり、彩りが増す。 |
早くも真っ赤なモミジが出迎えてくれた。 |
足元には、小っちゃな赤ちゃんモミジまで、生意気に紅葉していた。 |
杉林黄葉 |
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真っ赤なモミジ |
トイレがあったが・・・ |
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地図にあずま屋と書かれているが、壊れ、屋根が落ちていた。 |
ログハウス風のトイレがぽつんと建っていた。中は便器が一つ。下はなんと、地面だった!こんなことでいいのでしょうか~? |
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トイレだが・・・ |
向山分岐 (右折は崖崩れ) |
右へ行く道は崖崩れのため、ロープが張ってあり通行禁止。 |
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向山 |
1時間余り登ると、新しい標識のところにロープが張られ、「崖崩れのため、通行禁止」と書かれていた。 |
時間的にこの辺りと、右上を見ると、木でできた展望台が見える。ここが向山だった。平な林の中で、山頂という雰囲気はしない。この展望台がないとわかりにくい。 |
紅葉は少し遅めで、モミジのトンネルとはいかなかった。 |
向山(1078m)展望台 |
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展望台の階段には、ロープが渡してあり登れない。数年前から登るのは危険になっていたようだ。 |
後から来るはずのクマさんが来ない。携帯をかけてみると、行き過ぎてしまったらしい。急いで追いかける。 |
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ここから鶴峠分岐までは破線ルート。古い地図には”迷”マークがある。 |
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広い森を行くと、迷ったところにタイミング良く標識があった。 |
この先は、赤と銀のキラキラテープが道案内してくれた。ありがたい。 |
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広い森に標識 |
ブナ黄葉 |
少し先で倒木ベンチに腰かけているクマさんに追い付き、しばしティータイム。 |
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急な階段になる。この先4か所くらい階段が続く。 |
危険なところもないよい道で、新しい標識もでき、破線ルートではなくなるのも近いかもしれない。 |
ヒメシャラやリョウブが多い。 |
どこかで、ピーピー、チッチと美しい鳴き声がする。 |
階段が続く |
カラフル紅葉 |
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いつの間にかガスの中 |
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いつの間にかガスの中に入ってしまい幻想的な雰囲気に変わった。 |
色とりどりの落ち葉は、しっとり濡れている。 |
最近倒れたのか、倒木が道をふさぎ、斜面を乗り越えて進む。 |
雲の中 |
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倒木乗り越え |
三頭山分岐だが、日も短くなったので、早めに下山しようと、今回山頂はパスして、巻き道を行く。 |
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三頭山頂はすっぽり雲に覆われているが、こちらは雲を抜け出て、日も射してきた。 |
目の前を可愛いリスが、スルスルと木を登って行った。 |
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日が射す巻き道 |
飛竜・雲取の山並み |
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紅葉三昧 |
体中赤く染まりそうな、錦衣に装った森が続く。 |
同じブナでもすでに落葉した木、茶色く枯れている木、きれいな黄葉といろいろだった。 |
錦織りなす森 |
向こうの山も錦色 |
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樹間からは対面の飛竜山~雲取山方面が見える。高い所は雲がかかっていた。 |
この巻き道は、上り下りとも1時間。緩やかに登っていく。きれいに石垣が積まれ道もよく整備されていた。 |
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途中一か所、崩れて登山道が消えかけているところがあった。 |
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トリカブトは紫色の花はよく見かけるが、これは花が終わり種なのか?→ |
崩落している登山道 |
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トリカブト |
オツネノナキ坂 |
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三頭山の北、鶴峠分岐尾根に出た。広く平らなところで、ランチにした。木漏れ日が気持ちいい。 |
ここからがオツネノナキ坂といい、滑りやすい急坂だ。 |
オツネさんでなくても泣きたくなる。 |
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鶴峠分岐 |
オツネノナキ坂 |
延々と続くオツネノナキ坂。後から来た中年女性が一人、ピョンピョンと駆け下りていく。あっけにとられ見ている間に、見えなくなった。私達はやっとのことでツネナキ峠に着いた。 |
三頭山をパスしたので、1時間早いバスに乗れる予定だが、ここまで予定より時間がかかった。でもあれで精いっぱいだった。 |
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ヌカザス山で、ヌカザス尾根とムロクボ尾根が別れる。また急坂が続く。だが、少し慣れたのか、ほぼ予定時間で下れた。 |
ツルリンドウが可愛い真っ赤な実をつけている。 |
ヌカザス山1175m |
ツルリンドウ実 |
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登りは危険なところもなく、ゆっくりと紅葉を楽しみながら登ったが、下りは景色など見る余裕もなく、ただひたすら”滑らないように、転ばないように”と念じながら下った。 |
最後の杉林で、くたびれた様子の男性二人を追い越した。今日はほとんど貸切の山だった。 |
麦山の浮橋(ドラム缶橋) |
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奥多摩湖畔の登山口に着いた時は正直ほっとした。バスの時間までたっぷり30分ある。 |
橋は真下に見えたが、道は右にだいぶ行き過ぎてから、湖畔に下る。一度渡ってみたかったドラム缶橋を渡る。近くで見たら、ドラム缶ではなくプラスチックだった。吊橋とも違い、安定しているが、フカフカと揺れながら渡る。 |
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ドラム缶橋 |
小河内神社バス停に着き、予定のバスにも間に合った。さっき追い越した男性達が、ギリギリに到着した。 |
今年は秋になっても夏日があったり、ここのところ20度以上の暖か過ぎる日が続いた。紅葉も最高とまではいかないが、十分楽しめた。 |
帰りの電車で地図を広げ、朝から気になっていたデンデロ?を探した。飛竜山へ登る天平(デンデエロ)尾根ということが分かった。 |