今年最後の山行は、ちょうどクリスマス。以前真夏に、千足から大岳山を抜け奥多摩まで、長いコースをバテバテになりながら歩いたことがある。今回は同じ所を登り、馬頭刈尾根を下って瀬音の湯に立ち寄り、加茂庵で年越しそばという楽しいコースにした。4人で行く予定が、残念ながら一人ドタキャンがあった。 |
大変なファイナル山行に |
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ここ数日寒い日が続いている。千足でバスを降りると、真っ白に霜がおりていた。よい天気だが、氷点下の寒さだ。標識に従い林道を行く。 |
途中に真新しいトイレが出来ていた。 |
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千足 |
トイレ |
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舗装路が終わり、林道終点にはゲートがあった。沢を渡る。ゲートから10分ほどで天狗滝分岐だ。ザックを置いて滝を見に行く。 |
子天狗滝は細い流れの小さな滝で、そこから一登りすると、天狗滝に出た。岩肌を舐めるように流れる白糸のようなやさしい滝だった。 |
子天狗滝 |
天狗滝 |
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岩の上から見下ろすようになっているが、反対側には階段が付いている。私達はザックを置いてきてしまったので戻らなくてはいけないが、ここから登ると少し近道できたかもしれない。残念。 |
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登山道に戻ると、大きなザックを背負った男性が登って行った。 |
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少し登った所に道標があり、天狗滝に下れる。やはりあの階段を登ればここに出られたのだった。 |
20分ほどで綾滝があった。登山道から近い。 |
天狗滝分岐 |
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綾滝 |
綾滝は天狗滝より落差があるが、同様にやさしい滝だった。祠にはミカンとお酒がお供えしてあった。「こんな滝だったかしら?」 三人とも、この道は二回目なのに全然覚えがない。滝があったことだけは覚えているが、初めて登る山のようだ。 |
杉林の急登が続く。この道は石段などもよく整備されているが、だいぶ古そうだ。その昔、大岳山や御岳山への参詣道だったのかもしれない。 |
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最後のジグザグの登りにかかったら、足元に細いシモバシラの花が出来ていた。この冬初めて見た。他にもあるかと探したが、結局ここだけだった。 |
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急登が続く |
シモバシラ |
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やっと明るくなり、尾根に出た。 |
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大きな岩が立ちはだかっている。これがつづら岩だ。さっき登って行った若者が、ロッククライミングの準備をしていた。一人なので聞いてみると、岩の上に回り込み上からロープを垂らして登るそうだ。 |
雑木林登り |
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つづら岩 |
ここからが馬頭刈尾根で、この先は初めて歩く。これで五日市まで繋がる。(はずだった・・・) |
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尾根に出たら寒い。北風が吹き抜ける。 |
岩場が続く。乗り越え、回り込み注意深く進む。 |
先頭のJさんが、「年末だから怪我しないよう気をつけようね」と声をかけてくれたのに。。。 |
つづら岩(馬頭刈尾根) |
岩場を越えて |
イワウチワの群生地があった。 |
向かいには、大岳山が大きく御岳山の宿坊まで見える。 |
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あ~やってしまった! |
落ち葉いっぱいの平らな尾根歩きの途中で、私が転んだ! |
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御岳山 |
岩場を廻り込んで |
落ち葉に隠れていたが、ゴツゴツした岩につまづいてしまった。痛くてしばらく立ち上がれなかったが、骨折はしていないようだ。「ただの打ち身だから大丈夫よ」と言ったものの、ズボンをめくって見てみると、膝の下がざっくり切れている。骨が見えているみたいだ。皆もその傷の深さに、びっくりしてしまった。 |
痛みは見た目ほどではなく、出血も少ない。Jさんがマキロンを持っていた。私は大きなバンドエイドがあったので、消毒をし処置したら大丈夫そうだ。 |
私はそのまま歩いて行けそうだと言ったが、友人達は「無理は止めよう。とにかく少し休もう。」地図を広げ「少し行くと茅倉に下る道があるので、下山しよう。」ということになった。「私は一人で下るから、二人はそのまま予定通り続けて」と言ったが、「心配でそんなことできない。」と言われ今回の登山はここで中止。本当に申し訳ない。 |
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少し先に休むのにちょうどよい所があった。ミルクティーを作って、一休みする。 |
さっきまでの北風はどこへやら、ポカポカ陽だまりで、とっても見晴らしの良い所だ。丹沢から富士山大展望。 |
丹沢方面 |
富士山 |
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気持ちも悪くならないし、痛みも出血もひどくはならない。 気分も落ち着いてきた。 |
気を取り直して先へ進む。この先の尾根歩きは、さっき休んだ展望地とは天と地の差。北風ピューピューで、脱いだ上着を着込むようだった。歩きながら友人達が気遣ってくれるが、歩くのに支障はなかった。 |
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途中撤退 |
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茅倉への分岐は、最初はあまり歩かれていないような急下りだったが、緩やかになると道ははっきりしてきた。 |
見上げれば、馬頭刈尾根や、つづら岩が見える。 |
茅倉分岐 |
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馬頭刈尾根 |
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1時間ほどで檜原村茅倉へ着いた。日当たりのよい傾斜地に家々が点在する。 |
出会った人に聞くと、千足のバス停はすぐだが、本数がないので払沢ノ滝まで行けばいいと教えてくれた。15~20分程だそうだ。 |
今日行く加茂庵に電話でキャンセルし、歩いていると反対方向から五日市行きのバスが来た。変だな?と思っていると、『福祉施設やすらぎの里』を経由するバスで、すぐに戻ってきた。運よく檜原小のところで乗ることが出来た。 |
千足より大岳山望む |
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友人たちにはせっかくのファイナル山行をこんな形で台無しにして、多大な迷惑と心配をかけてしまった。本当にごめんなさい。 |
帰宅し、すぐに外科に行くと「これはひどい。骨が見えていますよ。縫わなくてはだめですね。」と言われ、5針縫うことになった。 |
「傷が深い割には、ズボンもCWXも全く切れていない。不思議ですね。」というと、「肉がない所なので、硬い岩と骨がぶつかって、裂けたのですよ。」と言われた。おっ-怖っ。これくらいですんでよかったのかもしれない。 |
「でも山は止めたくない」というと、先生曰く「山やっている人は、怪我しても何しても絶対やめたくないみたいですね。(笑)」私は、慎重な方なので普段あまり転ぶこともなかったが、やっぱり歳なのかなと凹む。家族にはもう山はやめた方がいいと言われそうなので、夫には堅く口止め。 |
その後の経過は順調だが、年末年始で病院が休みのため、抜糸は年明けになった。しばらく山はお預け。。。 |
山に行くときは、救急用品、保険証必携ということを改めて感じた。 |