南大菩薩は、何回かに分けて歩いているが、まだ行ったことがない石丸峠から湯ノ沢峠の小金沢連嶺を歩くことにした。 |
甲斐大和から土日限定で、上日川峠まで栄和交通のミニバスが出ている。このバスがあるので、日帰りで行ける範囲が広がった。 |
高尾駅に着いた時、Sさんより電話があり、京王線に乗った3人が乗り換えを間違え、予定の電車に乗れない。バスに間に合わないので、あとからタクシーで追いかけるとのこと。私達は、小屋平へ先に行って待つことにした。 |
梅雨明け |
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東京は、7月9日に例年より10日早く梅雨明けし、今朝は朝から快晴。一気に真夏の太陽がギラギラと照りつける。 |
駅に着くと、1台目のバスは既に出発し、2台めも満員で出発した。 |
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小屋平 |
石丸峠登山口 |
小屋平で下車したのは、私達のほかには3名。皆、上日川峠へ行くようだ。 |
バスを降りると、涼し~い。下界とは空気が違う。 |
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バスが着いてから15分後に、タクシーでやって来た3人と合流した。 |
昨日は雨だったそうで、カラマツ林の中はしっとりしている。40分ほど急登が続く。 |
林道に出ると、崖崩れのため、250m先に別ルートが出来ていた。 |
富士山が雲の中から半分見えた |
苔むす森 |
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夏空 |
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山は白い雲がモクモクと湧きあがる。 |
標高が上がると、左の雲の中から富士山が半分顔を出し、すっきりとはいかないが、南アルプスも見え隠れし素晴らしい眺めだ。 |
富士山と上日川ダム |
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これから歩く小金沢連嶺 |
真っ青な、上日川ダムも望める。森の中は、鳥のさえずりと、蝉が大合唱。 |
石丸峠は熊沢山から続く緑の笹原で、開放的な草原だ。 |
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東京は連日猛暑が続いているが、ここは別天地。爽やかな風が気持ちいい。 |
昨夜飲み過ぎで、約1名遅れがちな人がいる。 |
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石丸峠 |
熊沢山 |
石丸峠より牛ノ寝通り分岐を過ぎ、広々とした狼平を行く。振り返ると、熊沢山から続く大菩薩方面が望める。 |
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レンゲツツジが多い。花柄が沢山あるので、少し前には満開だったようだ。ここは鹿被害に合わなかったのか。 |
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サラサドウダンも多く、既に落花している木も多く、地面は一面の花。 |
サラサドウダン |
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牛ノ寝通り分岐 |
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右にダム湖を見下ろしながらの稜線歩きは、最高の気分。 |
このルートで一番標高の高い、小金沢山を目指し上っていく。 |
気持ちのよい樹林帯を行くと、ハクサンシャクナゲが咲いていた。アズマシャクナゲより派手さはないが、清楚な白い花が清々しい。 |
狼平より(熊沢山~大菩薩嶺) |
ハクサンシャクナゲ |
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秀麗富嶽12景制覇 |
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小金沢山は、秀麗富嶽12景の一つだ。私とJさんは、最後にこの山を残していたので、これで完全制覇できた。 |
だが、残念なことに富士の姿は、すっかり雲の中に隠れてしまった。 |
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小金沢山(2014m) |
苔にサラサドウダンのトッピング |
奥多摩方面は雲が多い。黒い雲が出てきたのがちょっと気にかかる。 |
ハクサンチドリ?を見つけた。これからは、夏の花がたくさん見られるようになり楽しみだ。 |
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クマザサの道を行く。登山道の両側は、よく刈り込まれ歩きやすい。 |
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立ち枯れの木が目立つ。ナナカマドの大きな木も蕾をたくさんつけていた。 |
アップダウンをくり返しながら、牛奥ノ雁ヶ腹摺山へは、30分ほどで着く。 |
立ち枯れの大木 |
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クマザサの道を進む |
牛奥ノ雁ヶ腹摺山 |
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牛奥ノ雁ヶ腹摺山は広い山頂なので、お弁当にした。Aさんが持ってきてくれた、冷たいグレープフルーツがとても美味しい。 |
山梨に雁ヶ腹摺山と名がつく山は、3山ある。kumaさんは、これで全部登れたと喜んでいた。 |
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牛奥ノ雁ヶ腹摺山 |
黒岳へ向かい一度下って、上り返す |
ここは、ブヨが多い。特にアルコールが残っている人は囲まれていた。 |
牛奥ノ雁ヶ腹摺山の草原を一度下る。 |
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ウスユキソウやヤマズハハコ、チダケサシが咲いていた。 |
しっとり苔むした樹林帯の急登を上り返すと、平坦になり川楜沢ノ頭へ着く。開けて明るい。 |
大峠分岐を過ぎると、黒岳はすぐだ。 |
川楜沢ノ頭 |
木の根蔓延る急登 |
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雷鳴 |
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黒岳へ着いたころ、遠くで雷鳴が聞こえてきた。あんなに青空だったのに、すっぽり雲で覆われてしまい、展望もなくなった。 |
小休止だけで、先を急ぐ。 |
黒岳(1988m) photo s |
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森はガスの中 |
すっかり雲の中に入ってしまい、幻想的なブナの森を抜ける。 |
ザレ場があり、登山道も崩れかけているところがある。 |
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白谷丸に着いたころは、ガスは晴れてきたが、雷鳴は大きくなった。 |
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白谷丸付近の展望 |
白ザレ |
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見覚えのある湯ノ沢峠に到着。すぐ右には、避難小屋とトイレがある。 |
休憩していると、やはり雨がポツポツ落ちてきた。 |
長過ぎる?林道歩き |
ほぼ予定通りなので、天目山温泉発16:31か遅くても17:00のバスには間に合いそうだ。 |
今回計画を引き受けた私は、ここからは長い林道歩きと思いこんでいた。ところが・・・ |
湯ノ沢峠トイレ |
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行けども行けども、同じような風景の道が続き、なかなか高度も下がっていかない。おかしい???道を間違えたか?どこで?本格的に雨も降ってきた。雨具を着る。 |
これでは4時半どころか、5時のバスにも間に合いそうもない・・・ |
8人のグループは、前半と後半組みに別れてしまった。 携帯をかけてみたが、圏外で繋がらず。ひたすら、歩くしかない。 |
5時を過ぎ、もうバスには間に合わない。雨も上がったので、後半組は雨具を脱ぎ、水を飲んだりおやつを食べた。(前半組は休みなしだったそうだ。) |
結局、1時間半で歩ける所を、倍の3時間近くかかり、皆疲れきって足は棒のようになり、やっとのことで天目山温泉に着いたのはもう6時近かった。なぜ???地図の時間が間違っていたのではないか・・・ |
温泉発の6時27分という最終バスには乗れたが、だいぶ遅くなってしまった。 |
翌日、Jさんからメールが来た。「間違い発見!湯ノ沢峠からは、林道ではなく、登山道があったのよ!」 |
ほんとだ!なんと、出だしが間違っていた。避難小屋近くからの登山道があったのに、私達は長い林道を延々と歩いたのだった。 |
以前、蕎麦粒山からの下山でも同じようなことをやっていたのに、またやってしまった。。。 |
下界の暑さを忘れる爽やかな風と、開放的で大展望の小金沢連嶺は、何度でも行きたくなるようなとってもよい山だった。でも、最後にはやっぱりオチがついてしまった。 |
~~小金沢連嶺の花~~ |