静寂の上高地 |
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上高地日帰りとあり、空がやっと明るくなった早朝出発した。 |
今日は朝から好天で奥多摩の山々から富士山まですっきり見える。 |
中央高速をしばらく走った頃、右手には真っ白な八ヶ岳が、雄雄しい姿を現した。左手には甲斐駒、仙丈ケ岳、鳳凰三山と続く南アルプス。車窓からの素晴らしい眺めに、これならきっと穂高も見えるかもしれないと、期待が持てる。 |
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八ヶ岳(車窓より) |
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新島々を過ぎる頃から積雪が多くなり、道の両脇には高く積まれている。途中雪上車待ちがあったりして、予定より少し遅れて釜トンネルに到着。ここで一般車は通行止め。トンネルの先で工事をしているため、工事車両のみ通れるようになっている。 |
チラチラと小雪が舞う中、身支度をしスノーシューを抱え、ヘッドランプを着けて釜トンネルに入る。 |
トンネルの入り口付近には、上から下まで繋がっている巨大ツララが出来ていた。 |
釜トンネル付近のツララ |
中は薄暗く無数のツララが下がっている。 |
車で通ったときには気がつかなかったが、思ったより急坂だ。時々トラックが通過すると、壁にぴったっと身を寄せる。 |
初めてのスノーシュー |
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トンネルを抜けると、そこは閉ざされた白銀の世界が広がる。 |
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でも何も難しいことはなく、フカフカの雪の上を簡単に歩くことが出来ておもしろい。 |
初めてのスノーシューをつけた。 |
バスの中で講習は受けたが、ほとんどの人が初めてなので、結構手間取る。 |
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白銀の上高地を歩く |
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いったいどのくらい積もっているのかと思ったら、道路標識が頭の部分だけ出ている。150センチは積もっているそうだ。先頭を歩く人は常にラッセル状態で大変だ。 |
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1時間ほど歩いて、大正池に到着。 |
池には氷がはり、その上に雪が積もり神秘的な風景だ。 |
夏の喧騒はどこへやら、そこは誰もいない静寂の銀世界。 |
積雪150センチ |
落ちたら凍え死んでしまいそうな冷たい池なのに、鴨が泳いでいる。大きな木々は雪でクリスマスツリーの行列のようだ。 |
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真っ白なテーブルが! |
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そして、大正池ホテルの隣には、なんと真っ白な長テーブルと、いすが出来ていた。 |
先に着いたガイドさんと比較的若い男性4人が、スコップとたくさんの荷物を持ち、雪で作った傑作でした。 |
荻尾さんが『エベレストに登ったときよりも、荷物が重かった』と笑う。何時も隊長のアイデアには感心させられる。 |
2つの大鍋には熱々のおでんが湯気をたてている。 |
楽しいランチタイム |
歩いていると体がぽかぽかしてくるが、休むと急速に冷えてくる。 |
鍋を囲み、おでんとそのつゆで煮込んだうどんをフーフー言いながらいただく。最高においしい!おでんのつゆでうどんを煮込むなんて、いい考えだ。特に山では残ったつゆの処置に困るので、これなら残さず食べられる。 |
おなかもいっぱいになり、スノーシューで上高地ハイクを楽しんだ。 |
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雪があると道ではないところでもどこでも歩きまわれる。隊長に言われ、起き上がるのにどれだけ大変か実験してみた。そのまま後ろに倒れると、雪だらけになって起き上がれない。一度横にごろっとなれば簡単だ。雪はサラサラで払えばすぐにおちる。 |
今日初めてのハイカーに出会った。その人たちは普通の登山靴なので、踏み固めた道だけ歩いてきたと言う。ちょっとそれると、ズボッと腰のあたりまで埋もれていた。大変そうだ。 |
雪はだんだん強く降るようになり、期待していた穂高は望めそうにない。 |
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スノーシュー初体験 |
気温もマイナス8度まで下がってきた。時間の関係で田代池までしか行かれなかったが、上高地の冬を満喫できた。 |
バスが釜トンネルの入り口で待っていてくれた。温かいお茶まで用意してあり、ほっと一息の嬉しいサービス。 |
沢渡(さわんど)温泉で冷えた体を温め、東京へ向かう。日帰りで時間的にはちょっときつかったが、初めてのスノーシュー体験を十分楽しむことが出来た。そして、山歩きを始めた私には、スキーよりこの方が楽しめそうだ。 |