フクジュソウ咲く早春の山へ |
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2月後半は暖かい日が続いたので、『もう福寿草が咲いているかもしれない。』という友人のことばに、あわてて浅見茶屋に問い合わせてみたところ、2月24日で3分咲きとの情報。去年は3月半ばで満開だったというが、今年は早い。 |
伊豆ヶ岳は3〜4年前に一度行ったことがあり、正丸から子の権現までアップダウンが続く縦走で、思っていたよりずっと大変で時間がかかり、薄暗くなる頃へとへとになり、西吾野駅にたどり着いた記憶がある。 |
今日はうららかな小春日和で、最高気温18度にもなるという。車窓からは満開の梅が見られた。 |
西部秩父線を正丸駅で下車し、すぐ右にある斜め階段を下りる。 |
歩き始めるとすぐに暑くなり、フリースを脱いだ。 |
伊豆ヶ岳鎖場 |
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岩登り体験 |
静かな里の集落は、家の庭先にフクジュソウが黄色い顔をのぞかせ、珍しいせつぶん草や春の花がたくさん見られる。 |
集落を上り詰めたところで、道は伊豆ヶ岳に直接登る近道と、正丸峠への道に分かれた。 |
今回は時間はかかるが、正丸峠経由で行くことにした。杉や檜の林にかかると、趣のある石畳の道に変わった。 |
途中の分岐を左へ、最後は急な丸太階段を一気に上ると正丸峠だ。雑木に囲まれ期待していた展望は得られなかった。 |
伊豆ヶ岳登頂 |
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茶屋の横を左に入り、尾根道を小高山に向かって登る。 |
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足場を探しながら、鎖につかまり3点確保。 |
11時15分見覚えのある鎖場が現れた。前回は注意書きの通り、右の女坂を登ったが、今回はこの直立する岩場を登るのが目標だ。 |
緊張しながら慎重に登る。下で見たときはわからなかったが、50mほどの岩壁は結構長い。 |
見上げると足がすくむが、勇気を出してチャレンジしてみた。 |
一つ終わるとまた次の鎖が待っていた。最後は岩をよじ登り、やっと伊豆ヶ岳登頂。 |
平らで滑りやすい岩は、ぬかるんだ道を歩いてきたので、よけい滑りやすい。 |
頂きに雪をかぶった、川苔山や棒の折山の眺望がよい。 |
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古御山より伊豆ヶ岳を望む |
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今回の目的は福寿草だったが、この鎖場をクリアした満足感で私達は、しばし福寿草のことは忘れていたが、これからまだ長い行程があるのだった。 |
暖かい山頂でお弁当を広げた。おにぎりも今日は冷たくない。山頂には2m以上もある大きなミツバツツジがあり、まわりのアカヤシオ、ヤマザクラとの共演はきっと素晴らしいに違いない。 |
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下山はいくつかのピークを繰り返し、子の権現から吾野駅向かう。 |
山頂直下は滑りやすい急坂が続く。だいぶ下って、登り返すと古御岳だ。 小広い山頂には東屋もある。雑木の向こうに伊豆ヶ岳が見える。 |
また下って、アセビの並木道を抜けると、再び登ったところが高畑山だ。ここから天目指峠までは一気に下る。 |
林道を横切り、胸突き八丁と書いてある向かい側の急斜面をさらに登る。やっと子の権現の屋根が見えてきた。 |
子の権現の巨大わらじ&げた |
足腰の神様だと言うので、足が資本の私達はよくお願いした。 |
福寿草と浅見茶屋 |
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大きな二本杉の参道を抜け、左へ下る。車道を横切り、少し行くと道標があり杉林の中へ入る。最後の目的地、福寿草と、開花情報を親切に教えてくれた浅見茶屋の名物うどんを食べようと、足が速まる。 |
20分ほど歩き、右側の土手を見ると、一面の福寿草。こんなに群生しているところは見たことがない。それも自生しているのだという。6〜7分咲きでちょうど見頃だ。これだけあると見に来た甲斐がある。 |
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浅見茶屋は目と鼻の先。奥さんがうどんを打っていた。 |
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お店のご主人はお話好きでとても気持ちのいい人だ。私たちが、吾野駅まで1時間近く歩くので、あまり時間がないと言うと『それでは、駅まで車で送るからゆっくりしていきなさい』と言われ、お言葉に甘えることにした。
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ご主人との会話を楽しみ、心のこもったしこしこの手打ちうどんに自家製漬物までいただき、心もおなかもいっぱいになった。 |
一面のフクジュソウ |
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浅見茶屋のご夫婦と |
今回は一面の福寿草と、ちょっとしたロッククライミングも体験できたし、最後は親切な茶店のご夫婦との出会いもあり、とても充実した山行になった。 |