前道志の里山にデン笠・金ピラ山と面白い名前の山がある。以前は地図に破線さえも引いてなかったが、2009年の昭文社地図には実線が引かれるようになった。最近のガイドブックにも載るようになった。 |
上野原の狭いロータリーは、バスが何台も出入りし、運転手さんのハンドルさばきにはいつも感心する。 |
上野原から午前中1本だけの無生野行きバスに乗る。乗客はたったの4人。途中乗車一人だけだった。ここもそのうち廃線になってしまうのか。すれ違えないような狭い道を、バスは秋山の里へと分け入って行く。 |
10月だというの今日も暑い。 |
 |
 |
一古沢バス停より、北へ畑の中の舗装路を登る。左手の小高い所に赤い鳥居が見える。 |
送電鉄塔目指し左折し、畑の道に入り、すぐ右折する。 |
道標はない。 |
一古沢バス停 |
富岡集落と道志の山々 |
 |
道間違い |
 |
少し登れば送電鉄塔161号が建つ台地に着く。 |
左へ行く道がついているので進むと、山で作業中の人がいた。「この先、道はないよ。デン笠へ行くなら鉄塔の所で上に登るんだよ」と教えてくれた。 |
送電鉄塔161号 |
よかった。教えてもらって。 |
尾根道へ |
鉄塔まで引き返し、よく見ると上に登る道があった。送電巡視路のわかりやすい道になった。 |
今日は人が通った気配もなく、クモの巣が多い。先頭は、棒でクモの巣掃いをしながら進む。台風の影響か、倒木も多い。尾根に出て軽いアップダウンを繰り返す。 |
送電鉄塔158号があった。 |
 |
 |
緑に囲まれほとんど展望はきかない。この山は晩秋から冬の方が良さそうだ。 |
イノシシ除けの柵を開けて入る。ここからはフェンスが続く。 |
|
イノシシ除け扉 |
金ピラ山 |
前方に、木々の間からきれいな三角形の金ピラ山が見えた。 |
 |
石の祠を過ぎ、すぐ下が舗装路の林道が走る、桜井峠だった。 |
 |
また柵があり、南側の畑との境をフェンス越しに進む。下の畑では草刈りの作業中で、遊んでいて申し訳ない気分で、急いで通り過ぎる。 |
真っ赤なヒガンバナが見頃だ。 |
桜井峠 |
|
ヒガンバナ |
 |
 |
標識はない |
ここまで標識もテープも何もなかった。やっと手作りの標識があった |
矢印は右を差しているが、ヤブが覆っている。周りを見回したが他に道はなく、やはりここを登って行くようだ。しばらくヤブ漕ぎをする。 |
初めての手作り標識 |
ヤブで道がない? |
|
すぐに道は明瞭になり、やはりここでよかった。尾根に戻り、岩がちな急登を登ると、やっとテープがついていた。木の根などつかみながら、最後の急な岩場を登る。 |
金ピラ山の頂上に着く。狭い山頂は、木々に囲まれ展望はよくない。手書きの標識が、木に括りつけてあった。 |
|
 |
西へ下ると、大岩が道を遮る。巻道はなさそうだ。岩へ登り右へ回り込むと何とか越えられた。 |
|
金ピラ山(560m) |
大岩 |
 |
 |
快適な尾根道になり、風が気持ちいい。緩やかにアップダウンを繰り返す。 |
左前方の木に、水道局の紺色のテープがついていた。水源地なのかもしれない。 |
快適な尾根歩き |
デン笠 |
|
あっけなくデン笠に到着。通り過ぎてしまいそうな山頂に、手書きの標識がついていた。少し休憩。今日は暑くて、予想以上に水分が必要だった。 |
 |
西へ10分ほどで金山峠だ。ここで初めて秋山村の標識があった。古福志、高柄山、大地峠への分岐だが、デン笠方面の表示はない。 |
|
植林の尾根道を進むと、ひょっこり立派な林道に出た。林道を進みかけたが、地図を見直すと林道横切ると記されている。 |
金山峠 |
|
植林の尾根道 |
登山道らしきところはなかった気がするが、戻って探してみた。 |
|
 |
セメントで固めた崖の右に、草で覆われているが、よく見ると階段がついていた。ここでは?! |
階段を登りきると、あとはよく踏まれた登山道だった。 |
|
林道を横切り、草に覆われた階段を登る |
新大地峠へ |
新大地峠から、ノイバラの茂る道を「痛いっ、痛い」とかき分けながらまた林道を横切る。 |
 |
ここからは、まだ工事中の林道に沿って四方津へ下る。 |
林道工事により、昔の登山道はだいぶ変わってしまい、途中までつまらない道になっていた。何のためにこんな立派な林道を造っているのか。 |
陽射しを避け、林の中の風通しのよい所でお弁当にした。休んでいたら汗も引きひんやりしてきた。 |
四方津へ(林道分岐) |
|
|
|
昔の道に戻りホッとして歩いていると、えぐられて歩きにくい道になった。新旧道祖神が2体あった。古い方はなかなかユーモラスなお顔だ。 |
|
コスモスが咲く川合峠に着く。川井の集落を抜け、四方津駅までは桂川を渡り、30分程で着く。 |
ユーモラスなお顔の道祖神 |
|
川合峠 |
地図に実線が引かれるようになったとはいえ、金ピラ山までは標識やテープさえもなく、途中2ヶ所、道がヤブで覆われわかりにくい所があった。里山と思っていると、意外と急峻な所もありあなどれない山だった。 |
暑い1日だったが、山は涼風が吹き、変化に富んだ面白い山歩きができた。 |