9月22日(金)   |
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この三日間北海道の天気予報はずっとよかったはずなのに、朝起きたら曇り。それでも雲の切れ間に少し青空がのぞく。 |
ホテルは石狩川のすぐそばに建ち、夕べは川の流れで目が覚めてしまった。 |
7時にバスに乗り1時間ほどで旭岳温泉に到着。とうとう雨が落ちてきてしまった。 |
スイス製だという100人乗りのロープウェイで標高1600mの姿見駅へ。煙って何も見えなかった。紅葉は今が見頃だそうだが・・・ |
国立公園に入るので、係りの人のレクチャーを受ける。 |
雨はやんだが、雨具とザックカバーをつける。歩き始めは10時近くになった。 |
旭岳石室辺りの紅葉 |
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大雪山は大雪山国立公園の中にある、中央部の山々の総称で、2000mを越える山々が30座以上もある。その代表となるのが、旭岳を最高峰をとする表大雪でトムラウシまで連なり、北海道の屋根と言われている。 |
だが、残念ながら展望はなし。 |
青空だったらきっと紅葉ももっと映えるに違いないが、あいにくの天気で冴えない。 |
石室までは、溶岩台地のハイマツ帯で、夏はお花畑になる。遊歩道になっている。 |
一面のチングルマ紅葉 |
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姿見の池周辺までは気軽にハイキングを楽しめるコースになっている。お菓子の家のような旭岳石室が建つ。 |
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ここで5〜6名が登山を断念する。 |
時おり雲の中から青空が顔を出し、振り返ると緑の中に赤や黄の紅葉が美しい。 |
硫黄の匂いが鼻をつき、噴煙を上げる地獄谷を見ながら、ガレた登山道を進む。 |
噴煙を上げる地獄谷 |
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また雨が降り出した。6合目を過ぎる頃からはみぞれになり風も出てきた。 |
斜面は広いが、踏み後をたどる。 |
7合目辺りからだんだん気温も下がり、あられに変わってきた。風も強くなり、頬を打つあられは目もあけていられないくらい痛い。雨具のフードをかぶり、タオルで鼻まで覆う。 |
でも昨日の黒岳山頂を思ったら、大したことなく感じた。 |
岩についたツララ |
ロープも凍り付いていた |
9合目では岩にツララが下がったり、氷の結晶が花のように真っ白だった。 |
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手袋をしていても、指先がジンジンとして感覚がなくなってきた。体や足は寒くないが、手袋が濡れてきて冷たい。もう1枚手袋を重ねる。 |
そして、旭岳登頂。吹雪。とうとう雪になってしまった。後で聞いたら、初雪だったそうだ。幸い風は少し弱まった。 |
留まることも出来ず、お弁当も広げられず、行動食を少し口に入れ、即下山。 |
黙々と下る。休みもほとんど取れなかったので、予定よりだいぶ早い。 |
大雪の鐘が聞こえてきた。5合目まで来たら、雨も風もおさまってきた。 |
旭岳山頂 初雪 |
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あとでガイドさんが話していたが、8合目に来た時、進むべきか下りるべきか迷ったそうだ。この状況では、ツアーでは引き返すのが普通だそうだ。 |
だが、メンバーの足並みと、完全装備、昨日の強風体験と皆さんの意気込みにまけ、山頂まで行くことを決めたと言われた。 |
若い女性の添乗員さんは、どこかで誰かやめると言うのではないかと、心待ちにしていたそうだ。寒いし、痛いし、誰かが言ってくれれば、一緒に下山できるのにと思っていたが、誰も弱音を吐く人はいなかった。皆さん根性ありますね。と本音を語っていた。 |
昨日に続き、すごい日に登ってしまったが、これもよい体験。登れて良かった。 |
薄っすら白くなった山頂 |
でもやっぱり、今度はよい天気の夏に、お花畑の中を縦走してみたい。 |
またバスに3時間近く揺られ、今夜の宿泊地温根湯温泉へと向かう。車窓から青々見える畑は、最後に収穫されるさとう大根(ビート)で、たくさん植えられていた。砂糖の生産量は、北海道が日本一だそうだ。 |
また層雲峡を通る。lこれで往復3回目なので、大町桂月がつけたという岩の名前や柱状節理のガイドができそうだ。 |