今年もミツマタの咲く季節になった。丹沢の達人が、昨年に続きミツマタ山行を計画してくれた。昨年はミツバ岳に登ったが、今年は屏風岩山からバリエーションルートを下る。私達だけでは、地図に線もないルートを歩くことは難しいので楽しみだ。今回は夫人も初参加、5名で歩く。 |
少し遅れていた桜も今が見頃。車窓からは山北駅辺りの川沿いが見事だった。やはり満開の桜を見ると、テンションが上がる。 |
ミツマタ山行 |
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西丹沢行きのバスは、ミツマタ目当ての登山者が多い。浅瀬入口でほとんどが降りた。 |
私達は細川橋で下車し、茶畑脇の急坂を登る。 |
登りきったところに神社があり、手前を標識に従い、左へ登って行く。 |
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神社 |
植林の急登 |
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杉やヒノキの植林を上って行くと、早くもミツマタが現れ始めた。 |
林の中全体が白っぽく明るい。 |
急坂が終わり、明るい尾根を廻り込んで登る。崩落個所があったが、去年より歩きやすくなっていた。 |
早くもミツマタ |
明るい雑木の尾根 |
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森の中は、ピーピーッピッピと鳥のコーラスが聞こえ、天気は快晴。今頃の山は芽吹き前で明るく、木々は全体にやわらかく紫がかっている。同じ葉がなくても晩秋の景色とはまた違う。 |
去年下って来た、見覚えがある二本杉峠へ着いた。ベンチがあったので、一休みして行く。 |
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樹間からは、真っ白な富士山が大きく見える。今日は晴天で、雲ひとつかかっていない。 |
目の前のピークを乗り越えてもよいが、巻道を行くことにした。 |
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二本杉峠 |
一番の難所 |
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このコース一番の難所 |
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去年行った十二ヶ岳を思い出す登りになった。でも短いので、あれほどではない。しばらくは、木の根やロープにつかまりよじ登る、このコース一番の難所だ。 |
ここを登りきると、緩やかになる。時々富士山がちらりと見える。 |
木の根につかまりよじ登る |
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富士山ちらり |
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ミツマタの墓場 |
ミツマタの群生地に着いたが、倒されたり、枝が折れてしまっている木が多い。何があったのか?去年の大型台風の影響なのか? |
「ミツマタの墓場だ」とTさん。3年前来た時は、黄色い花で埋め尽くされていたそうだ。 |
なぎ倒されたミツマタ |
天然しいたけ |
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谷を覗くと、そこは無事で咲いている木が見えるが、尾根はほとんど全滅。 |
Tさんはせっかく案内したのに、こんな状態ではと悔んでいた。でも花はよいときも悪いときもある。私達はよい山に連れてきてもらっただけでうれしい。 |
足元の苔の生えた倒木に、ついているキノコはシイタケだそうだ。天然ものシイタケなんて初めて見た。 |
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破線ルートだが、赤いテープや、手作り標識、木に赤丸などがあり、道もよく踏まれわかりやすい。 |
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立派な手作り標識 |
木には赤丸が |
反対方向から中年男性が一人やって来た。話を聞くと、5時に山伏峠を出、甲相国境尾根を歩き、菰釣山、畔ヶ丸、屏風岩山と踏破し、これから権現山まで行き、丹沢湖へ下るそうだ。なんと健脚な! |
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屏風岩山 |
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屏風岩山付近になると、ブナが多く、太い幹が青空に向かって伸びている、気持ちのよい所だ。 |
今まで立派な手作り標識があったのに、山頂の標識はは朽ちかけ読めない、板切れにマジック書きとお粗末だった。 |
青空に伸びるブナ |
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屏風岩山(1051.6m) |
陽当たりのよい山頂で、お弁当を囲む。 |
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Rさんが、きれいに皮をむいたグレープフルーツを沢山持ってきてくれた。冷たくて美味しい。 |
他にも3組登って来た。2組は大滝峠へ向かった。 |
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屏風岩山山頂 |
東峰下る |
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私達は東峰より、フェンス沿いに下り、笹子沢東尾根へのルートを取る。 |
真っすぐ東に下ることもできるらしいが、私達はアセビの木の先で、進路を変え南に向かう。 |
さっき歩いてきた屏風岩山の尾根と平行して歩くようになる。 |
フェンス沿いに下る |
屏風岩山の尾根 |
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この先からミツマタが再び現れ始めた。このルートは知る人ぞ知る、秘密の花園。一部のガイドブックなどにも出ているので、歩いている人もいるようだが、団体ではまず歩かないようだ。 |
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ミツマタ秘密の大群落 |
秘密の花園 |
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圧倒されるような、ミツマタ大群落。森の中はどこまでもミツマタに埋め尽くされ、よい香りの中を下って行く。 |
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森の中はミツマタで埋め尽くされる |
ミツマタは下を向いて咲いているので、上から見ると白っぽいが、振り仰いで見ると黄金色に輝いている。今がちょうど見ごろのようだ。Tさんもこれでやっと一安心といったところ。 |
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ミツマタはこれで終わりかと思ったが、ところどころいつまでも続いていた。 |
沢音が聞こえ始める。 |
一気に下り、沢に降り立つ。石の上を踏み越え右岸に渡る。 |
沢を渡る |
笹薮の中を行く |
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こういう所は踏み跡もないので、わかりにくい。案内人がいなければ、迷うところだ。 |
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沢はエメラルドグリーンに澄んでいる。奥に滝も見える。 |
再び渡渉し、左岸の沢沿いを歩く。 |
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滝と沢 |
左岸沿いを歩く |
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サプライズ |
バスの時間があるので、”養老の滝”に寄って行こうという達人に、私達は??? |
なんと!岳沢堰堤の近くの沢には、先週下見に来た時冷やしておいたというドリンクがあった。 |
ミニ宴会 |
岳沢堰堤 |
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ビール、ノンアルコール飲料、ソフトドリンクと好みに応じ何でもある。ここからバス停までは15分位の林道歩きなので、沢音の聞こえる”養老の滝”で時間までミニ宴会を楽しむ。最後にこんなサプライズが用意されているとは、誰も思いもしなかった。毎回、Tさんには驚かされる。 |
ゆっくり休み疲れも快復。「あしがら荘入口」バス停に向かう。このバス停にはトイレもあるので助かる。 |
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途中の浅瀬入口バス停からは、山頂で会ったあのスーパー健脚男性が乗り込んできた。 |
Tさんが話を聞くと、茨城の人で68歳。山は定年退職して始め、車で移動しながら山歩きしているそうだ。山に入って今日で5日目。これから車を置いた山伏峠までバスと電車で戻るという。すごい人もいるものだ。 |
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細川橋 |
達人夫妻も健脚で、佐久強歩大会(一昼夜78キロを歩き通す、風雨でも決行)にRさんは5年、Tさんは11年も連続出場した経験があるそうだ。Rさんは、山は久しぶりと言いながらも、足取りはしっかりしていた。 |
お二人には案内をしていただいたうえすっかりご馳走になり、ありがとうございました。 |
ミツマタは時期もちょうどよく、屏風岩山は岩場あり、渡渉あり、バリエーションルートと変化に富んだ山歩きが出来た。 |