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今年最後の山行に”カカア天下とカラッ風”で有名な赤城山へ行った。 |
明け方まで雨が降っていたが、日が登る頃にはすっかり良い天気になってきた。 |
関越を降りると、榛名山の方角には大きな虹までかかり、久々に見る虹に大歓声が上がった。(あとで母に聞いたところ、夕方の虹は翌日は良い天気になるが、朝の虹は天気が崩れるそうだ)
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スケートリンクのような駐車場 |
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なるほど、右方向の赤城山には『いやな雲がかかってますね』と隊長が言う。 |
バスが山にさしかかると、心配していた通り、雪雲の中に入ってしまったようで、チラチラと雪が降ってきた。あたりも一変して雪景色になってきた。 |
『赤城スケートリンクへ到着しました』と隊長が言うように駐車場はツルツルに凍っていて、バスを降りるとすぐにアイゼンが必要になった。雨具を着て、スパッツをつけ、手袋、マフラー、帽子と完全装備で歩き始めた。 |
風もヒューヒューと音をたて、吹雪のようになってきた。 |
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雪が積もり、凍っている車道を黒檜山登山口まで行く。 |
昨日コージツのスッタフが実踏に来てくれた時は、雪はあったがアイゼンは必要なく、良い天気で暑いくらいだったそうだ。一晩で変わるものだ。 |
歩き始めてまもなく、私とクラのアイゼンが緩んできた。 |
黒檜山登山口 |
今回初めて使う8本爪で、あわせ方がゆるかったようだ。手も凍りそうな中、マサさんがそのたびに何回も調節してくれた。そのためだいぶ遅れてしまったが、この10分が事故につながると、いやな顔もせずにぴったりするまで直してくれた。 |
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登山口で待っていてくれたメンバーに追いつき、いきなり急坂の雪深い林にかかった。多いところでは30センチくらい積もっている。 |
森はすべて真っ白で、木々には細かい小さな枝にまで雪が”小枝チョコレートホワイト”のようについて素晴らしくきれいだ。 |
常緑樹や少し残った枯葉には、まるで天ぷらの衣がついたように固まっている。風は強く、木についた氷が飛んできて顔にあたり痛い。稜線に出ても展望は全くない。 |
樹氷の森 |
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予定では黒檜山から駒ヶ岳に登るはずだったが、この天気では34名の団体では時間的にも無理そうだし、駒ヶ岳からの下りには一部に鉄梯子もあるそうで、黒檜山だけ登ることになった。 |
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途中で休憩を取り、行動食を取った。いつも持ち物に立ってでも食べられるものとあったが、その必要性が今回良くわかった。 |
それも無理な時は途中で引き返すと言われた。 |
温度は相当下がっているようで、デジカメが使えなくなった人もいた。 |
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小枝ホワイトチョコレート? |
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今はウエアや装備はとてもよいので、歩いていると体はちっとも寒くないが、止まるととたんに冷えてくる。 |
Junjunが『八甲田山で亡くなった人たちは、今のようにゴアテックスやダウンパーカーがあれば死なずにすんだかも・・・』と言っていたが、本当にそうかもしれない。 |
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黒檜山登頂12時40分。予定よりだいぶ時間がかかってしまった。でも幸い、雪はほとんど止み、風も弱まった。展望のよい山頂らしいが視界ゼロ。 |
『これならお湯が沸かせるかもしれない』とスッタフが熱いオニオングラタンスープを作ってくれた。 |
皆冷たいおにぎりやサンドウィッチなので大好評だった。インスタントだが寒い冬にはこれはいけるかもしれない。 |
黒檜山頂(1828m) |
30分ほど休み下山。
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凍っている岩場や急斜面を下るときは、やはり軽アイゼンより8本爪のよさが実感できた。先週買い換えたが、こんなにすぐ役立つとは思わなかった。 |
下りでは少し危ない場所ではつまってしまい、時間がかかった。 |
猫岩まで下った頃、天気がどんどん回復し、周りの山々や眼下の大沼が美しい姿を現した。 |
登山口にはバスが待っていてくれた。アイゼンをはずしたとたんに滑っている人もいた。ふもとに下りると、今登ってきた樹氷の赤城山が真っ白で感動的だった。 |
こんな天気で私達だけだったらきっと断念していたと思うが、荻尾さんはじめ、頼もしいスタッフのおかげで、安心して歩くことが出来た。 |
樹氷の山を歩けたのも初めての経験だったし、冬の初めにこんな経験をすると、今年の冬は寒さにめげず歩けそうだ。 |